年中組 壁面作り

「おうち展覧会」いかがだったでしょうか?他学年の作品は残念ながら見ることはできませんでしたが、ご家庭でお子様の作品をゆっくりご覧になることができたのではないでしょうか昨年の作品と比べ、扱う道具や技法・工程の数に成長を感じられたと思います

持ち帰った作品の準備は子どもたちが自分で行いました!

折れずに綺麗に入っていましたか~??

さて、年中組は展覧会で

「紙」というカテゴリーの中にも、様々な種類の紙があり、扱い方によって平面から立体、曲線・柔らかさ、硬さ・まっすぐさ…etc形を自由に変化させることが出来ることを経験する 

ということをねらいに置き、一番身近な、普段の遊びで使っている画用紙や折り紙・お花紙を使って遊びに繋がる経験のできる共同制作を!と考えていました。

「今年は、おうち展覧会になったけど、子どもの経験は大切にしたい!!」と3人で考え、保育室の壁面で同じような経験ができればと【自分人形】作りを行いました今までは自分の顔を描くという経験はありましたが、初めて全身、立体に挑戦です

ではではさっそく【自分人形】作りに取り組む子どもたちの様子をお伝えしていきます♪


【身体づくり】

No.1 頭のあん作り

まず、身体の土台をつくるのに、「新聞紙」と「画用紙」を用意し、顔の丸を表現する為に頭部分のあんこ作り

新聞紙を手で半分に切り(手で半分に切るというのも、新しい経験)1枚を丸め、残りをその上から重ねて丸めていきます。

手や指先の力を使って新聞紙をぎゅっぎゅっ

指先は「第2の脳」と言われるほど、末梢神経が集中していて、この指先への刺激が「幼児脳」を刺激していくことになります物を扱う時の力加減や鉛筆やハサミ・折り紙を折る時の巧緻性にもつながります

そして、次は画用紙の出番新聞紙で作った頭のあんこを画用紙で包んでいくのですが、このままでは画用紙が硬くて包めないので…これもくしゃくしゃにしま~す

このように揉んでいくことで、画用紙が柔らかくなるんです

でも、この作業がとっても大変画用紙は新聞紙よりも硬いので、さっきよりももっと指先の力が必要なんです。

でもそれだけでは、子どもたちの力では難しいそんな時は全体重をかけて

普段、「物は大切に使いましょう!」と言われているので、くしゃくしゃにすることすらも楽しみながら取り組んでいた子どもたちでしたが、次第に、

「先生もうくしゃくしゃになった?」

「まだまだだよ~」

「もっと!?

というやりとりが何回もありました(笑)

やっていくと、さっきよりも柔らかくなったかもという声がちらほら。苦戦しながらも、どうしたら柔らかくなるのか?頭を使って、自分たちで考えてなんとかやわやわ画用紙ができあがり

No.2 柔らかくなった画用紙で新聞紙の頭を包む

首となる部分をしっかり捻り、てるてる坊主を作ります新聞のあんこが見えない様に包めたら、テープをぐるっと首周りに一周させて固定 すると頭の完成

No.3 手と足をつくろう

てるてる坊主の状態から、手と足を作ってきます手や足となる部分に手で切り込みを入れて、紙をねじねじ。

このねじねじが難しい!!ねじり方が甘いと、二の腕の振袖が素晴らしいことに…

頑張ってねじっていくと…じゃじゃーん人の形に

【体操着づくり】

裸のままでは、風邪をひいてしまうので服を着せます折り紙や画用紙などを体に巻き付けたり、紙を切って貼ったりして、体操服を表現

まずは体操着のシャツからスタート折り紙を半分に折り、扇を書いて切り取り、エプロンの形にしたものを、裸人形に巻き付けていきました

次に体操ズボン折り紙や画用紙を張り付け、お股が見えない様に!と頑張りましたが…立体なのでここはちょっと難しかったようです

体操着の折り紙は紙が足りず、後ろまできれいに巻くことが難しかったのですが、「背中も服を着てるから!」と体操着もズボンも裏面まで貼る子もいれば、大きくきった紙を前側だけ大胆に貼る子など様々な姿が見られました

さぁ、だんだんと形が見えてきましたよ~

【髪・顔・靴をつけよう】

最後は、髪の毛や顔・靴に取り掛かります

「髪の毛は鉛筆で丸めるとくるんとなるよ」「目は紙を丸めてビーズみたいにしてもいいし、鉛筆で形を書いて、切ってもできるよ」「口は紙をねじっても形になるよ」などなど、様々なやり方を伝え、新しい方法に目をキラキラさせながらスタート

「僕は茶色い髪と黒い髪が混ざってるから二つ使おう~」

「髪、くるくるしてるから、いっぱいくるんとさせちゃおー」と思い思いの自分を表現。どの髪をどのくらい使うのか、どんな風に貼るのかは子どもたちが自分で考えて進めたので、様々な表現方法が見られましたそして、どこかなんとなく似てくる人形たち

制作中には「先生これで合ってる?」「先生どうしたらいい?」などと、正解や答えを求める子たちが多かったですが、自分がいいなと思ったらそれでいいよと声を掛け、あっているか間違っているかではなく、「自分で考えて表現する」ということを大切に見守ってきました。

そして、何日間もかけ、ついに人形の完成壁面に飾ってみました

ばら

すみれ

もも

それぞれ個性が出ていて、とても素敵な作品ですね

今までは紙に描く、紙を切る・折るなどの経験をしてきましたが、今回の制作を通して、紙を丸めたり、ねじったりすることで形を変化させるという新たな経験をし、紙の質や強度によって適した使い方や、表現の違いがあることも知った子どもたち。そして、「正解・不正解」ではなく、考えて表現し、友だちや周りから刺激を受けるという時間をたくさん経験した子どもたち。これをきっかけに制作の幅が広がってくれたら・・・と思っています

人形ですが、しばらくクラスに飾ってからお持たせしますので、お楽しみに~